飯塚本町商店街からくり時計製作 [店舗・造型]

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商店街活性化の一環としての商店街コミュニティーホール建設時
に設計の方から、プラン依頼を受け、デザイン・設計・施工を行なっ
た製品で、建築工事の下で、製作工事を行ないました。

2009.09.01-飯塚からくり①.gif

背面パネルは、鉄板で焼付け塗装をし、その背面のH鋼の構造
物で受けています。その構造体に駆動部(モーター)や時計を支
える軸を固定しています。  また、壁面パネルの表側には、
躯体(建築物構造)に凹部があり、そこに大名行列が隠れている
わけです。

下の写真を見てください。

2009.09.01-飯塚からくり②.gif

これからの写真は、十年後リニューアルしたときに撮った写真です。
下のテナントさんが代わっていましたが、このからくり時計は、
下の本屋さんのからくり時では、ありません。 飯塚本町商店街の
からくり時計です。
からくり時計は、毎正時に作動します。 まず3分前にアナウンス
で紹介されオープニング曲が流れます。

その後、からくり時計のスタートとなります。

2009.09.01-飯塚からくり③.gif

前にも書きましたが、大名行列の頭が見えていますが、この写真
は、脚立にのって撮影しましたので・・・・ 下から見上げると見え
ませんからご心配なく・・・・・・
この時計の寸法は、H1900mmの高さで人の高さより大きい時計
です。 この時計のうしろに、人形を隠しています。 象・馬上に
乗った武士・西洋人(ポルトガル人? オランダ人? そこまでは認識
しては、製作していません。 この商店街のーケードは、昔の
長崎街道とのことでした。そのときの大名行列をイメージして
プランしたのがこのからくり時計です。
長崎からの、大名行列は、このからくり時計のように、象やラクダ・
西洋人と何ともにぎやかな大名行列だったらしいです。
からくり時計を面白くするために、象・ラクダ等を作ったのでは
ありません。時計の機体は、シチズン製
(コマーシャル シチズンTIC をよろしくお願いします)で屋外の
塔時計用を使用し、時計の針の図面は、当方で製作図を作成し、
時計本体はFRP樹脂製です。時計が二つに割れるため
時計の上部にシャフトを設け、その軸に時計本体が左右半分
づつぶら下がって取り付けられています。
その軸が回転することによって時計が開きます。 
時計がまるときに隙間があくとおかしいですから、
そのときに、ぶつかるときに音がしないようにするのが
大変です。

2009.09.01-飯塚からくり④.gif

からくり時計は、大名行列の1日を表現しました。
オープニングミュジッの時には、周りの照明は暗く、間接照明用
にスリーム管の各色を設置し、ブルー系で夜を表現し、夜明けの
オレンジの照明と変化します。 夜明けとともにからくり時計が
作動、曲がメインミュージックと変わります。時計がまず開き、
全開になると、バック背景が回転し現れます。時計が開く途中
だと、背景のパネルと衝突しますから、・・・・・

2009.09.01-飯塚からくり⑤.gif

背景パネルは下から2段を使用し、下段は、昔の町並みの1階
部分を造作し、Lの内側の左部分に固定しています。Lの下の
部分は床(道路)と考えてください。
そこに荷や通行人を配置しました。上段(下から2段目)に町並
みの2階部分を平パネルに固定し、パネルの縦の中心部に軸を
通し、回転させ背景が現れるようにしています。
閉まったときには、壁裏で背景は、さかさまです。 ^^
建物には、10W程度の照明を仕込み、障子から明かりが灯り、
また屋根には、泥棒・火の見やぐらに上る人を配置し、町並みの
活気を表現しました。これらは動きません。
上の写真は、時計全開・バック景全開・大名行列が下からせり
上り、これから行列が前進を始める前の写真です。

2009.09.01-飯塚からくり⑥.gif

大名行列や背景を大きくした写真です。この大名行列を
ズームアップしたイメージで、作成プランしたのが時計の背面に
隠れていた象や馬上の武士と西洋人です。この行列の人形では、
小さく印刷物でよくあるズームアップ写真のイメージです。
この大名行列は行列の下にある架台がチェーンで前進します。
また、架台の上に2本のシャフトが有り、それぞれに人形の右足・
左足固定し交互にスライドさせ、足が動いているように見せています。
そこで、問題?人形は何で立っているか?
1体1体ロボットを造るわけにもいけません。
それは、ごまかし細工で、目ので見る物ではありませんから、壁側
(人形のうしろ)の胴体部分を下の架台から支えています。それを
足だけ前後・前後と動かしてるだけです。

2009.09.01-飯塚からくり⑦.gif

大名行列が前進しています。右壁のところに燕が隠れています。
この燕は、普通は時計のうしろに隠れています。
夜明けとともに、パネルのに沿って、時計の裏から壁のうしろへ
と時計左右の燕が飛んで行くわけです。
大名行列が左端しに到達した頃、この燕は、夜明けを待つために、
時計へと戻っていきます。 この燕は、バックして戻ったりしません^^ 
ちゃんと旋回し、飛んでいきます。

2009.09.01-飯塚からくり⑨.gif

先ほど、書きましたクローズアップの人形です。約700mmあります。
象・馬・西洋人の足は行列人形と同じような仕組みで前後し、歩いて
いるように見せています。 また象の頭や馬上の武士も足の動きに
合わせ、象は頭の上下・武士は、馬上の揺れを表現し動かしています。
普通からくり時計に部分スポットは、あまり昔は、見たことがありません
でしたが、照明の演出は、視覚的に大事なことで人形や背景に
ミニスポットを配置しました。
人形ステージには、少し豪華さを出すために、真鍮の磨き金物で製作し、
凹部には、ダイノックフィルムを使用しています。
最近は、ベルビアンフィルムが種類が多く、広く使用されているようです
が(ダイノック・ベルビアンフィルムは装飾家具の化粧材として店舗や
商業施設・家具等に広く使われている化粧フィルムです。一般の方が、
木目の無垢材と思われるものが下地がベニヤ板にフィルムを貼って仕上
げているものもありますから、近くに寄って、見て触ってみるとわかります。

このからくり時計は、大名行列が行進を終え、下降する頃エンディング曲
に移行し、周りの間接照明が夕暮れを表す。 オレンジに変わります。
行進中の照明は、天井照明灯が点灯するなど日中を表現する照明になっ
ています。大名行列が下降終え、背景が回転し、壁面パネルとして
戻ります。その後、時計がぶつかった(閉)時、音がしないようにゆっくりと
閉じ、元に戻ります。
そのときの照明は、夜を表現した、ブルーの間接照明です。

飯塚本町商店外のからくり時計の作動工程とその仕組みを簡単に
ご紹介しました。
このときに製作したからくり時計の曲が商店街の方々に喜んでいただいた
ようです。最近大きなショッピングセンター等が各地に出来て、地方の
商店街の方も、大変ご苦労されています。

旅行・ドライブのときは、各地方の商店街にちょっと立ち寄ると、
新しい発見があるかも知れません。
ちょっと、参考に、「商店街にぎわいPLAZA」 全振連のホームページで、
全国の商店街リンクサイトがあり、
各地方のそれぞれの商店街めぐりができます。どうぞご訪問を・・・・

物づくりの会社、有限会社 エイム のホームページも
ご訪問ください。 さまざまな造作物を造ってきました。

当時の手書き図面の1枚で寸法が記されています。

2009.09.01-飯塚からくり⑪.gif

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